Morning letter

朝のひとときに、心穏やかな1日が送れるような、エッセンスをお届けします。

『精神科医が教える 病気を治す感情コントロール』 読書感想文 ~看護師としてできること~

本書を読み、看護師になり14年目で初めて患者さんの心を学びました。
それはとても衝撃で、看護師として、患者さんとの心の寄り添い方についてもっと学ばなくてはならないと心から思いました。

患者さんに寄り添うことは、看護師として1番に大切にしなければならないことです。
しかし、現場で即戦力を求められていると感じていたため、病態生理、技術ばかり学んでいました。
「心よりも先に方法や技術が出てはいけない」そう教わった理念ですが、患者さんの心のケアについては後回しになっていました。
その結果、治療や処置に拒否反応を示す患者さんに対し「あの患者さんの考えていることはわからない」「怒りっぽい人だ」と片付けてしまっていたのです。

患者さんから「もう構わないで」「早く出ていって」と言われることもありました。
私は患者さんから浴びせられる言葉に傷つきたくなく、そういった患者さんから距離を置くようになっていました。
そして時として患者さんは「看護師さんは忙しそうで私を見ようとしてくれない」と涙を流すのです。
当時はこの心理が理解できなくて、「前と言っていることが違うじゃない」と反発を覚えました。
しかし私はわかっていませんでした。
助けが必要な人ほど「一人にしてほしい」ということを。
こういった患者さんはずっと病気の恐怖と闘い孤独だったのです。
これが本書の最大の気づきです。

さらに本書から「孤独な患者さんにとって、寄り添うことが最大の救いとなる」ことを学びました。
まず「笑顔で、ゆったりとした雰囲気でそこにいるだけで本人は安心する」ということ。
患者さんに「一人にしてほしい」と言われたら、距離を置いていました。
それではさらに孤独にさせていたことになります。
まずは「助けて」と言えない状況であることを理解する必要がありました。
だからといって特別なことをしなくてもいい。
普段通りの笑顔で、体に優しく触れたり、腰を下ろして目線を合わせるだけで、安心感を与えることができたのではと振り返ります。

今は臨床を離れているので、今回の学びを患者さんに実践することはできません。
しかし本書には「病からの回復の体験を、今、病気で苦しんでいる人にお伝えすると、感謝されます」「あなたの『トンネルを抜けた体験』は、とても貴重なものであり、孤独に支配される人をこのうえなく勇気づけるのです」と書かれています。

私が患者さんとの関わりを通し本書で学んだ経験をこのように表現することで、同じ看護師として働く人たちや、その家族の勇気づけになるのだと解釈しました。
それはとても微力ですが、患者さんの寄り添いに悩む人に、私の体験で気づきを与えられたらそれはとても嬉しいことです。
私は臨床を離れた今もアイデンティティは看護師です。
今できる形で看護師として誰かの心を救いたいと本書を読み強く思いました。

精神科医が教える病気を治す 感情コントロール術

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