夫のツレ。几帳面で真面目。家事全般をこなし、曜日ごとにお弁当に入れるチーズ、ネクタイを決めている。ゼロか100、~せねばならない精神。会社勤めをし、クレーム対応に苦しめられている。
妻のハル。ツレと正反対で家事が苦手ておおざっぱ。売れない漫画家として、本当にかに書きたいものを見つけられずため息の多い生活を送っている。
ある日ツレが「死にたい」と打ち明け「うつ病」と診断される。
退職したツレは、布団にこもり「何もできない」「申し訳ない」と泣き続ける。
周囲は「気の持ちよう」「家族のために頑張らなきゃ」とツレとハルをさらに苦しめる。
そしてツレに変わって、一家の大黒柱となったハル。
今まで受け身だったが、なんとか仕事を得ようと編集者に頭を下げる。
いつも明るく前向きに励まし続けるハルだが、ツレの症状を見守り、仕事をして稼がなくてはならない状況に頭を抱えていた。
しかし、必死で漫画を描き続け、周囲に支えられ、ツレの病気と向き合い続けるとハルは自分が本当に書きたかったことを見つける。
ハルが自分たちについて書きたいと決心すると、ツレもハルを応援するようになり、少しずつ行動を起こし始める。
「うつ病」を通しツレもハルも新しい自分に生まれ変わる、個人、夫婦の成長を描いたストーリー。
この映画をみて、自分のことを振り返るきっかけとなりました。
私は「うつ病」ではありませんが、一歩手前の状態だったことがあります。
私は約10年病棟勤務をし3交代の夜勤をしていました。
休みの日は寝てばかり、遊ぶことは悪いことだと思っていました。
後輩が困っていたらなんとかしてあげなきゃ、後輩のミスは自分のミス、かばってあげなきゃと常に考えていました。
そして、リーダー層になりメンバー全員の意見に耳を傾けようとし、板挟みになるようになりました。
ちょうどそのころ自分の結婚もあり、今までほったらかしだった家事をするようになったり、今までで一番忙しい日々を送っていました。
心は元気で、よく冗談も言っていたのですが、胃腸炎症状を繰り返し体重も減り、睡眠も十分にとれなくなってきました。
「これってよくない状況なのかな」と感じるようになり、産業保健師に相談しました。
すると「体が疲れているからしばらく休職した方がいい」とアドバイスをくれました。
いやいや心は元気ですし夜勤もあるし、人もいないので無理です、と言った記憶があります。
でも「仕事はどうにでもなります。まずは自分の事だけを考えて休んでください」と言われたのです。
それから休職し、結婚もしていたので結果的に退職しました。
しばらくは体がだるく、風邪や胃腸炎にかかりやすい状態でしたが、徐々に体調は戻っていきました。
仕事をしていなかった時間に、読書をするようになり、今の自分があります。
それから、人間関係やストレス、健康や生き方について勉強するようになりました。
今は規則正しい生活を心掛け「イライラするまでがんばらない」をモットーに過ごしています。
あの時「ちょっと疲れてるけど、心は元気だからまだまだいけるでしょ~」と思っていましたが、うつ病は身体→心の順番に崩れていくことをその後学びました。
あのまま仕事を続けていたらどうなっていたのだろう…。
おそらく、病気になっていたのではないでしょうか…。
わたしは誰かに相談できたから救われました。
私は夜勤をし生活リズムが乱れていたことが、体調を崩した1番の原因ではないかと考えます。
うつ病はセロトニンの低下でおこるといわれていますが、セロトニンの原料となる太陽の光をしっかり浴びた記憶がほとんどありません。
そして、他人のことを自分のことのように考えたり、依頼を断ることができませんでした。
他人のためなら犠牲になってもいいと思っていましたが、すっぱりやめました。
今は他人と自分の課題をしっかり分けるようにしてます。
むしろ人間関係が希薄なくらい。
これから少しずつ、新たな人間関係をつくっていきたいと思っています。
そして、私が大切にしていることは「自分の好きなことをする」ことです。
好きなことができていないときは、だいたい無理をしているときです。
自分が幸せであることを一番に考える、それが大切なのだと思います。
「うつ病は誰にでもなる病気」です。
でも、規則正しい生活をして、ストレスとうまくつきあっていく力を身に着ければ防ぐことができるでしょう。
まずは、仕事優先ではなく自分優先に。
自分を大切に生きましょう。