「ひとりになる勇気、人とつながる力 友だちってなんだろう?」
齊藤孝さんによる中高生向けに書かれた「友だちに関する不安や悩みを晴らし、ストレスのない友だち関係を築けるようになるための本」です。
もちろん大人が読んでもたくさんの学びを得ることができます。
本書では友だちづきあいを無敵にする3つの力が紹介されています。
①「気の合う友だちをつくる」力
②「気の合わない相手ともつまくつきあう」力
③「ひとりを楽しめる」力
ふたつの対人関係に加え、自分の世界を持ち「ひとりを楽しむ」力をもつことで、人に頼りきらない関係を築けるようになるといいます。
3つの力について私の気づきを述べていきます。
今回はまず
①「気の合う友だちをつくる」力について
好きなものつなががりで友だちになることがなぜいいのか、ひとつは共感しやすいということ。
もうひとつは、相手の人格そのものと真っ向から向き合わなくていいということ。
2人の関心のベクトルが「もの」に向かっているので、互いの人格と直接ぶつからないかたちのコミュニケーションが成立しているためです。
好きなのものは話をしていれば、穏やかで幸せな距離感を保ちやすいのです。
人は多面的な個性、性格を併せもっていて、人格と人格で向き合ったら、我慢でいないと思うことが出てきてしまうのが当たり前と述べられています。
大人になってから「好きなもの」でつながった友だちはいないことに気がつきました。
それは、私に「好きなもの」がなかったからです。
これまで趣味は何もありませんでしたし、探そうともしていませんでした。
職場以外の人間関係はゼロに等しかったと思います。
職場はみんないい人でしたが「好きなもの」でつながっていたわけではないので、時に息苦しさを感じることもありました。
そして退職した後は、会うことがなくなっていきました。
それは人格と人格でしか向き合えなかったからだと振り返ることができます。
今は自分の好きなものが明確です。
樺沢紫苑先生、読書、映画、朝散歩、カフェ、整理収納、ボールペン習字、ブルー、緑の多い公園…
好きなものを見つけてから、少しずつ私にも「好きなものつながり」ができはじめました。
また、友だちよりも仲間をつくったほうがいいとも述べられています。
大人になって、社会で生き抜いていくためには仲間を持ち、協力し合う力、それによって現実をよくしていく力が必要です。
仲間がいると思えることは心強く、自分にも居場所があるという安心感を与えてくれると著者はいいます。
「好きなもの」がないとき、いつもどこか寂しかった。
「好きなもの」がある今、自分が楽しめる居心地のいい仲間を見つけたい。
もちろん相手との距離が近くなると、それはそれで辛くなる…そんな心配もあります。
しかし著者は「いろいろチャレンジすることで人慣れし、人との距離感がつかめる」とアドバイスしています。
行動しなければ現実は変わらないですもね。
一歩ずつ、前に進んでいきます。