私のメンター樺沢先生の新刊「父滅の刃」
樺沢先生の影響を受け映画を観るようになった。
映画を観たらブログで感想をアウトプットすることを徹底し、少しずつ自分の意見を持つようになり、自己表現もできるようになってきた。
しかし、樺沢先生がどのような視点で映画を観ているのか、どういう風に観たら自分の人生に影響を与えられるのか疑問に思っていた。
本書を読み、「こんなに分析しながらみているのか」「父性、母性という視点で見ればもっと面白い」と感じることができ、もっと映画を深めながら観たいという気持ちになった。
新作を映画館で見るだけではなく、本書で取り上げられている映画を参考にして自宅でも鑑賞していきたい。
以下感想を述べる。
「良き父親」とは
・規範を示している
・尊敬、信頼されている
・「すごい」「そうなりたい」と思われてる
・ビジョン、理念、方向性を示している
と述べられている。
私の父親は「良き父親」である。
技術職で今も現役で働き、調和型のリーダーとして周囲をまとめている。
小さいころから18時には帰宅しいつも一緒に遊んでくれ、取り組んでいたスポーツも一生懸命応援してくれた優しい父である。
しかし我が家は「逆転夫婦」の両親だっと振り返る。
母親は教育熱心で心配性、過干渉でもある。
常に結果を求められることが苦しく、溺れてしまいそうな時期があった。
父が弱い立場であったわけではないが、母が強すぎたとでも言おうか。
本書では「父親がいくら厳しくても、通常、父親は仕事で日中いないので、少なくとも日中は、子供たちはのんびりできるのです。しかし、専業主婦の母親が極めて『厳しい』場合は、子供は24時間監視された状態となり、リラックスする暇がない。」
「24時間、365時間、ピリピリした状態が続くと、子供の神経はすり減ります。自分の意見を言うと母親に叱られるということになりる、自分の意見を言わなくなる。母親に迎合し、母親の言いなりになる。自分で判断・決断できない、自発性に乏しい、人任せの大人へと成長していく可能性が高い」と述べている。
この文章を読み驚いた。
自分の姿がそのまま書かれているからだ。
母は専業主婦ではなかったが、私が学校から帰宅すると自宅にはいた。
「逆転夫婦」の結末、私は人に迎合する大人へとなっていった。
そんな厳しい母から助けてほしいと心では父に助けを求めていたのかもしれない。
父は「良き父」であったと思うが、今までリスペクトできない部分があった。
それは、もっと母にガツンと言って私を守ってほしかったという思いがあったからなのかもしれない。
その心のわだかまりから、30を超えた年になっても父に優しくできないでいた。
しかし、これまで「父性」「母性」について考えることもなかったのでとても良い自己洞察の機会となった。
両親へはどこか「許せない」という反抗心を今の今まで抱いていた。
もっと自分を自由に表現させてほしかったというわだかまりがあったからだ。
しかし、子供を愛していない親はいないし、親はいつも子供の幸せを願っている、家族とはかけがえのない存在なのだと本書から学び、両親に会いにいった。
父はいつもと変わらず優しい。母はやはり心配症だ。
しかしここは私の帰る場所。
帰る場所にいる両親に心を開こう、自分が変わるのだと心に決めた。
父は私が20歳になったころ、会社を辞め独立した。それは大変だったよねと話をした。
父は「会社を辞めるときは『お前なんかよそに行っても使い物にならない』と上司から言われ、この先生活できるのだろうかと悩んだが、そうではなかった。案外やっていけるし、なんであんな小さな会社が人生の全てだったのだろうと振り返る。あの時会社を辞めると決断したことは間違いではなかった」と話してくれた。
その話に私は強い「父性」を感じ、初めて父を心から「尊敬」できた。
そしていつも家族の雰囲気を大事に笑顔を絶やさず、母にも優しく接してくれていたのだ。
母は心配性で過干渉だが、それは私が世間知らずで苦労しているのを気にかけてくれているからだ。
「いろいろ言われたけどもう終わったことだし、今はもうあの頃の自分じゃない」と過去を断ち切り母と接すると、自然と笑顔がこぼれる。
自分に「父性」があれば辛い過去とも決別し「和解」できることがわかった。
今は両親に心から感謝できる。
60代の両親、いつまでも元気にというのは不可能だが、できるだけ会いに行きたい。
両親が存命のうちに「和解」できたことに、樺沢先生には感謝したい。
私も母となり、子を育てる立場となった。
自分で決断し、自分で行動し、自分で道を切り開ける子になってほしい。
そのために私がすべきToDoは
・定時で仕事を終わらせ子供との時間を大切にする。
・「逆転婦婦」にならないよう夫に「父性」を担当してもらうよう話し合い、母である私が夫をリスペクトする。
・何事も自分で決断していく(夫も)
「父性」は多忙な現代社会において家族と過ごす時間とともに消えてしまったのではないか。
そして母親が担う責任が重くなり「強すぎる母性」がなお「父性」の火を消してしまったのではないか。
幸せの原点は仕事ではないことがよくわかる。
家族と過ごす時間がなによりも幸せである。
最近夫が「急に仕事が入った」と帰宅してからも言うので、「メリハリつけなきゃ体を壊すよ」と一言添える。
そうすると「自分が仕事にでると子供が泣き止まなくなるから、打ち合わせは明日にしてもらった」と断りの電話を入れていた。
「断ち切る」父性が芽生えていてうれしい。
子どもにとって「良い父親」となりますように。
もちろん私も「父性」を持ち合わせた「良い母親」となれるよう精進しなくてはならない。